バップからモードへ その1
1940年代、アメリカは戦争してたわけですが、そんなときに、
チャーリー=パーカーというすごいサックス吹きが現れます。
早いテンポのバックに乗せて、吹くわ吹くわ、吹きまくるは、
客のことなぞお構いなしで、ひたすらアドリブソロを吹きま
くってたのでしょう。
それまで、ダンス用の音楽か、歌手の伴奏だったJAZZを演奏者
のためのものにしたという感じなのでしょうか??
客も、演奏者のアドリブを目当てに集まるようになります。
何をビバップと言うのかはワタシにはわかりませんが、彼ら
のやってた音楽をきっとビバップと言うのでしょう。
彼の仲間たちのフォロワーがたくさん現れます。
ビバップも最初はスタンダードで演奏されていたのですが、
自分たちでオリジナルを作るようになります。
そういう、演奏者の書いた曲は、やはり、演奏者向きに書かれて
いて、アドリブがし易かったりとか、ちょっと変わったアドリブ
ができるような仕掛けがしてあります。
チャーリー=パーカーの作ったConfirmationという曲のコード進行
を見てみましょう。
Confirmation
Charlie Parker
[I]
|Gm7/C | // | // | // |
[A]
|F |Em7(-5) A7|Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb7 |Am7(-5) D7|G7 |Gm7 C7 :||
[A]'
|F |Em7(-5) A7|Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb7 |Am7(-5) D7|Gm7 C7 |F G7 |
[B]
|Cm7 |F7 |BbM7 |Fm7 Bb7 |
|Ebm7 |Ab7 |DbM7 |Gm7 C7 |
[A]''
|F |Em7(-5) A7|Dm7 G7 |Cm7 F7 |
|Bb7 |Am7(-5) D7|Gm7 C7 |F |
A A' B A 形式ですね
テーマもなんかいい感じです。
[A]は最初4小節が
I -> VIIm7(-5) -> III7 -> VIm7 -> II7 -> Vm7 -> I7
その後の4小節もBbがIになったとすると
I -> VIIm7(-5) -> III7 -> VI7 -> VIm7 -> II7
で、あまりちがいが無いですね。^^;
1-7-3-6-2-5-1と覚えましょう。
結構、スタンダードに多いです。
有名なところでは、ジョージアオンマイマインドのAメロがこれです。
I'll close my eyesやThere will never be another youもこれです。
意外とブラジルものでもあります。
ジョビンの"もし、皆があなたと同じだったなら"のAメロもこれかな??
最初にI->VIIという半音落ち進行があるとたいていこれです。 ^^;
IからVIIに半音ベース下がったあとはII-Vでずっと落ちてくの
ですね。
VIIm7(-5)はV7の代理なんで最初はI->Vになるですかね??
また、4小節目最後がF7で、5小節目頭がBbなんで、ここも4度進
行になってるんですね。
Aメロ全部つなげて、II-Vがどうあてはまるかみてみましょか
()内は便宜上のkeyと考えてください。
|F |Em7(-5) A7|Dm7 G7 |Cm7 F7|Bb7 |Am7(-5) D7|G7 |Gm7 C7 |
( I VII III VI II V I IV III VI II II V )
I V(F) I V(Bb)
II V I(Dm) II V I I IV(G)
II V I(Cm) II V(F)
II V I (Bb)
II-V-Iだらけですね。
では、Bメロをみてみます。
|Cm7 |F7 |BbM7 |Fm7 Bb7 | Ebm7 |Ab7 |DbM7 |Gm7 C7|
II V I(Bb)
I V
II V I(Ebm)
II V I(Db)
II V(Bb)
ここも、II-V-I以外のコード連結は1箇所だけですね。
このようにII-Vの連続で、転調、転調を繰り返す曲ですね。
このような曲で、アドリブの最初から最後までテンション上がりっ
ぱなしという感じで演奏してたのです。
曲の頭から最後までテンションがあがりっぱなしの音楽はビバップ
とヘビメタだけですね。^^;
1955年にチャーリー=パーカーが死去します。
その時、チャールズ=ミンガスというベーシストは
"俺たちは、これからはだれの真似をすればいいんだ"と言ったそう
です。
しかし、皆、自分でなんとかするようになったんでしょう。
ビバップはさらに発展し、そこからハードバップやクールといわれ
る音楽も誕生します。
目次へ戻る
TOPへ戻る