イパネマの娘
GIRL FROM IPANEMA
A.C.Jobim
イパネマの娘についての私の解釈です。
素人がやってることなのでキツイつっこみは無しね。
私のやってるイパネマの進行は以下のとうり、
いろんなコード進行があるようで、これについては
ジョビンはみんな勝手にオリジナルを変えやがって
と怒っていたらしい。
ジョビンさん、ごめんなさい。
サンバ、ボサノバは本当は2/4で書かなきゃだけど
面倒なので4/4で書いてあります。
[I]
|D69 Eb69 |D69 Eb69 |
[A]
|D69 |E7 |Em7 A7|D69 Eb69|
|D69 |E7 |Em7 A7|D69 Eb69||
[B]
|EbM7 |Ab7 |Ebm9 |B7 |
|Em9 |C7 |F#m7 B7|Em7 A7||
イントロは半音上に行ったり戻ったりですが、
後ででてくるゲッツ/ジルベルトではそんなこと
してません。
オリジナルには無くて、後で誰かがつけたようですね。
ここは、数少ない半音上に行くパターンですよね。
これが逆でEb->DだとDのドミナントのA7の裏コードで
Eb7ともいえなくはないんですが、それはないでしょうね。
そもそも7thじゃないし...
これは私の解釈では、イパネマの娘のモデルの少女が、
そういう歩き方をしてたからというものです。^^;
彼女の名前はエロイーザ、作者のジョビンとヴィニシ
ウスが通っていたバーに、お母さんのお使いでタバコを
買いにきていたそうです。
はつらつとした10代のお嬢さんが、スカートをヒラヒラ
させてバーのおやじたちの視線を感じてはにかみながら
歩くところが想像できませんか??
ちなみにバーデン=パウエルのイパネマのイントロはF69
Bb7(9,13) (KeyはF)でサブドミナントに進行してます。
これだと、コードの内声の長3度が短3度に動きます
(Bbの7th)。
感じとしては逆に落ちてるかんじですね。
Aメロは
I->II7->IIm->V7
というわりとサンバとかシャンソンとかでよくある
進行。
スタンダードだとTake the A trainもこれですね。
特筆すべきはメロディで、最初の2小節はハ長調で
いうとレとラとシしかでてこない。
レとラは両方ともD69のテンションなんで、
そっちにメロディのっけてるんですね。
ちゅうか、メロがコードの内声に出てこないんですな。
さて、Bメロ、のっけからEbM7ということはIIbから
はじまる。
これは半音上のEbに転調したちうことでどうで
しょうか??
そこでメロディの最初の音はM7なんですねぇ
"をいをい"ですねぇ
で、Eb->AbでI->IVに行くと。次はEbの同主調
(でいいんだっけ??)のEbmに転調(長調だとF#)。
メジャーで考えると短3度上への転調なんで
これはきもちいいらしい。
でここでB7はF#のIV(サブドミナント)ようは4度
への進行なので、最初にやってるEbM7->Ab7と同じ。
実際メロディも短3度上に動いてるだけ。
で、次にそのまま半音上に転調。
メロディもハーモニーも半音上で同じことをやっ
てる。
ここも、メロの最初がコードm9の9thてえのが、
なかなかよろしい^^;
さて、この後がスゴイ。よくわからんのだが
なぜかF#m7からII-Vで落としていってもとの調の
Dに戻すという力技をみせてます。
私はこれを秘儀"イパネマ落とし"と名付けています。
うーん、Em9で調はGまで行ったから、それのドミナン
ト(D)へ転調
してIII(F#)->VI(B)->II(E)->V(A)てのが普通の解釈
かなぁ。
F#mはGのVIIという解釈もできるからKeyGで、VII
(一応ドミナント)鳴らせてからII/Vで落とすという
ことでもあるんですね。
そうするとBメロは4つに分けて
|EbM7 |Ab7 | 元のDの半音上(Eb)に転調してI->IV
|Ebm9 |B7 | Ebの短3度上(F#)に転調してI(VIm)->IV
|Em9 |C7 | F#の半音上(G)に転調してI(VIm)->IV
|F#m7 B7|Em7 A7| Gの5度上(D 属調)にII/Vで
落としていく。
とまぁ部分転調の繰り返しと言えなくもないですね。
F#から始まるイパネマ落としの前まではI->IV
(トニックからサブドミナント)に行って、行ったきり
でほかの調に転調しちゃって解決感がなくて、しかも
段々調が上に上がっていくので、さらに解決感がなく
て不安定になったところで、秘儀イパネマ落としの
ドミナントモーション3連発で無理やり解決させちゃう
という感じでしょうか??
歌詞は、Aメロがイパネマの娘の歩く姿を褒め称え
てる(陽)に対して、Bメロは、それを眺めるだけの
自分がなんと孤独なんだろうという(陰)な感じです。
あー私はとてつもなくひとりぼっちだみたいな歌詞
です。たしか...
中年ストーカー男の歌といえなくもありません。^^;
これの詩をかいたヴィニシウスは8回くらい結婚して
るんで、そりゃあ、孤独だったに違いなかろうと思
います。^^;
さて、じゃあ、アドリブは実際どうやってるんだろ
うと、この録音で一番有名なゲッツ/ジルベルトを
聞いてみました。
サックス大将、スタンゲッツ御大のソロが聞けます。
このアルバム、シングルではジョアン=ジルベルトの
ボーカルがカットされたりとか、御大の意向でサック
スの音だけばかでかかったりとか、
顔が萩原流行に似てたりとか、演奏以外のことでと
やかくいわれがちですが、
そこはサックス界の重鎮ゲッツ御大、素敵なソロを
吹いてるはずです。
さてどうでしょう...あ、はじまった....おや...
あれ??....
Bメロは普通にテーマ弾いてました。^^;
ゲッツさん、あなたは正しい!! ここはあれこれで
きるところじゃあーりません。
"イパネマ落とし"のところだけそれらしくブロー
してましたけどね。
ここはフツーのII/Vだからやり易かろう。(^^)
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